前のページ | 記事一覧 | 次のページ |
酒粕によるアレルギーはある?含まれるアルコールや酵母に大注目!
- 2018年2月27日
- テーマ:コラム
目次
酒粕は健康や美容に効果があるということで注目されている食材の一つですが、アレルギーは出ないのだろうかと心配になる人がいるかもしれません。確かに酒粕にはアルコールや酵母が含まれているため、アルコールアレルギーや酵母アレルギーを引き起こす可能性があります。
そこで、酒粕に含まれるアルコールや酵母によるアレルギーが、どの程度のものかなどについて解説します。
アルコールや酵母が原因で起こるアレルギーとは
まず、アルコールや酵母が原因で引き起こされるアレルギーとはどのようなものかについて、それぞれ解説します。
アルコールが原因で起こるアレルギー
アルコールによるアレルギーは、アルコールを体内で分解する酵素、アルデヒドデハイドロゲナーゼの不足が原因で引き起こされるといわれています。その場合、体内ではアセトアルデヒドという物質が増加しアレルギー症状が起こります。
アルコールアレルギーの場合、喘息や蕁麻疹(じんましん)、かぶれ、くしゃみ、鼻水、頻脈などの症状が表われます。
酵母が原因で起こるアレルギー
酵母によるアレルギーは、酵母を含んでいる食品を食べたり飲んだりすることで引き起こされます。このアレルギーを発症する体質の人は、ビールやパン、醤油、味噌、酒粕など特定の食品を摂取したときだけアレルギー症状を起こすとされています。
酵母によるアレルギー症状は、「カンジダ菌」によって引き起こされるといわれています。カンジダ菌は、健康な人の腸にも普通に棲みついている常在菌であるため、アレルギー体質の人は酵母を含む特定の食品を摂取するとアレルギー症状を発症してしまいます。
酵母アレルギーの場合、体の一部または全身のかゆみや腫れ、むくみ、嘔吐、頭痛、腹痛などの症状が表われます。重症になるとアナフィラキシーショックという重度のショック症状を起こす場合もあるので、とくに注意が必要です。
酒粕中のアルコールや酵母でアレルギーは起こる?
では、酒粕中に含まれる程度のアルコールや酵母で、アレルギーは引き起こされるのでしょうか。結論を言えば、アルコールの場合、どんなに微量なアルコール濃度でもアレルギー反応を起こす可能性はあるといえます。
アルコールについては、酒粕には約8%のアルコール分が含まれているためアルコールアレルギーの原因になるといえるでしょう。
人によっては、予防接種の際の消毒液に使われるアルコールで肌がかぶれてしまう場合もあれば、酒粕に触っただけで全身に蕁麻疹ができてしまう場合もあるので要注意です。
酵母については、食べたり飲んだりなど体の中に取り込まなければアレルギー症状を起こす可能性は低いと考えられます。
前もってパッチテストを
アルコールアレルギーも酵母アレルギーもなさそうだと思っていても、アレルギーは程度問題なのでパッチテストで前もってチェックしておいた方がよいでしょう。大丈夫だと思って使ってしまい、アレルギーが出てしまったという事態だけは避けたいところです。
パッチテストの方法ですが、腕や手の甲に水で溶かした酒粕を塗り5分程度そのまま放置します。その後、酒粕を水で洗い流し、塗られていた箇所の変化をチェックします。赤く腫れあがっていたりヒリヒリと痛みを感じたりした場合には、アレルギー反応が表われた証拠ですので酒粕を使うのは避けた方がよいでしょう。
そのような症状が出なければ、少なくともアルコールによる酒粕アレルギー発症の可能性は低いので、フェイスパックなどスキンケア用に酒粕を使用しても良いでしょう。
また、たとえアルコールアレルギーでもフェイスパックなどを作る際に、酒粕を加熱してアルコール分を完全に飛ばしてしまえば使える可能性はあります。ただ、その際にも十分にアルコールを飛ばさないとアレルギーが出てしまう危険性があるので注意が必要です。
アレルギーは予防するしかない?
では、出てしまったアレルギーを治療する方法はあるのでしょうか。残念ながらアルコールや酵母によるアレルギーの有効な治療法はないというのが現状です。ですから、最初から酒粕を食べたり触ったりしないことが、アレルギーを避ける最大の予防ということになります。
まとめ
酒粕は、人体にとって必須の多くの栄養素を含み健康にも美容にも効能を示す万能食品として注目されています。料理レシピのバリエーションも豊富で非常に使い勝手がよく、日常の食生活に取り入れるにはもってこいの食品の一つです。
また、フェイスパックや入浴剤、化粧水などとしても手軽に扱えるので、美肌用品としても重宝できます。ただし、アルコールや酵母を含んでいるため、それらにアレルギーがある人の場合、使用には十分な注意が必要です。自分にそれらのアレルギーがないと思っていても、酒粕を使用する前には必ずパッチテストを行なうことをおすすめします。
前のページ | 記事一覧 | 次のページ |