酒粕を食べ過ぎるとどうなる?酒粕の意外なダイエット効果に迫る
- 2017年3月24日
- テーマ:コラム
栄養豊富で美容・健康効果が高い酒粕。もし食べ過ぎてしまうとどうなるのでしょうか?酒粕は意外にもカロリーや糖分が高いため、食べ過ぎには注意が必要ですが、摂ることでメリットもあります。酒粕を食べ過ぎたときの注意点や、食べすぎないための工夫についてお伝えします。
酒粕を食べ過ぎるとどうなる?
酒粕を食べ過ぎた場合に心配されるのは、摂取カロリーとアルコール量です。
酒粕のカロリーと1日の摂取量
酒粕のカロリーは、100gあたり約227kcalです。ちなみに白米は100gあたり356kcalで、成人女性の1食分の平均カロリーは650kcal程度となっています。つまり、酒粕を300g食べれば1食分に相当するカロリーがあるということ。
酒粕ダイエットを行う場合は、1日に50gの摂取が推奨されます。ダイエット目的ではなくても、食べ過ぎはカロリー過多を招く原因に。酒粕を1日に200gも300gも食べているようなら、食べ過ぎだと言えます。多くても1日100g程度にとどめるべきでしょう。
ただし、これは純粋な酒粕の量に換算したときの話です。粕漬けや粕汁などは成分が薄まっているので、そこまで気にしなくても大丈夫です。酒粕を使った甘酒も水で薄めたものですが、市販の甘酒1本分(100ml?200ml程度)であれば問題ないでしょう。
アルコールの摂りすぎに注意
酒粕の食べ過ぎで注意したいのは、カロリーだけではありません。酒粕は5?8%程度のアルコール分を含んでいます。そのため、食べ過ぎると酔っ払った状態になってしまいます。過去には粕汁を食べたあとに飲酒運転で捕まった事例もあります。
運転をしないにしても、アルコールは眠気を誘い、集中力や判断力を奪ってしまいます。夕飯後や寝る前に摂るようにするなど、タイミングにも注意が必要です。
酒粕の食べ過ぎを防ぐには
たんぱく質は摂取過多になると自然と排出されるので、食べ過ぎをそこまで心配する必要はありません。しかし、糖分とカロリーが多いのも事実ですので、酒粕の摂取量は1日100gまでにしましょう。
酒粕が好きな人は、そのままパクパクとおやつがわりに食べたり、甘酒を飲みすぎたりしてしまうことがあるようです。あるだけ食べてしまうなら、酒粕を買ってきたら50gずつや100gずつに小分けして冷凍してしまいましょう。使う前日に冷蔵庫に出しておけば、翌日には食べられます。電子レンジでも解凍できますが、パサつきがちなので水や日本酒を少量まぶすといいですよ。
酒粕を食べるとどうなる?意外なダイエット効果
酒粕はカロリーこそ高いですが、食べ過ぎると太ってしまうのでしょうか?いいえ、実は酒粕は、すぐれたダイエット効果を持っているのです。
血糖値と肥満の関係
肥満と血糖値には大きな関連性があります。通常、食事をすると消化吸収の過程でインスリンというホルモンが分泌されます。インスリンはエネルギーを取り込んでたくわえる働きをします。血糖値が急激に上がるとインスリンの分泌量も増え、脂肪がつきやすい状態に。さらに、血糖値が急激に下がると、空腹感を強く感じるようになります。血糖値の急激な上昇や低下は、太りやすい体を作ると言えます。
酒粕には食物繊維が豊富に含まれています。そのため血糖値を上げにくく、たくさん食べても太りにくい食材なのです。また、栄養が豊富で満足感が得やすいため、間食としても最適。太りにくくて栄養満点なら、利用しない手はないですよね。
酒粕は基礎代謝を高めてくれる
また、酒粕を食べることで基礎代謝を高める効果もあります。食物繊維の摂取量が不足すると便秘になり、老廃物や毒素が体内にとどまって栄養吸収の妨げになります。
酒粕に含まれる食物繊維は便秘を解消し、オリゴ糖は腸内環境を整えてくれます。善玉菌が繁殖しやすくなることで消化吸収がよくなり、基礎代謝が高まることにつながるのです。基礎代謝は人間が生きていく上で常に消費されるエネルギーのことで、高いほど脂肪は燃えやすくなります。酒粕を食べるだけで、脂肪が燃えやすい体を作ることができるんですね。
酒粕の糖質は吸収されにくい
白米やパンなどはほとんどが糖質で、食物繊維やミネラル、ビタミンの含有量はごくわずか。太りやすい食品の代表とも言えます。一方、酒粕も糖質が多いですが、食物繊維・ミネラル・ビタミンを豊富に含むため、血糖値を上げにくく太りにくい食品なのです。
さらに酒粕にはレジスタントプロテインという、他にはない成分が含まれています。レジスタントプロテインはたんぱく質の一種ですが、糖分や脂肪分をからめとって排出する作用があります。胃腸で消化されにくいため、食物繊維と同じような働きをするのです。レジスタントプロテインの働きによって、実際に吸収されるカロリーは少なくて済みます。
筋肉の元になるたんぱく質が豊富
ダイエットではよく、油分や糖分を抑えてたんぱく質を摂ることが推奨されます。これは、たんぱく質が筋肉を作る元になるから。筋肉が多いほど基礎代謝量が上がり、やせやすい体になります。
酒粕は、良質なたんぱく質を持つ食材として有名な卵よりもさらに多いたんぱく質含有量を誇ります。酒粕のような植物性たんぱく質は、肉や魚といった動物性たんぱく質と比べてカロリーや脂質が少なく、ダイエットには最適です。
酒粕の食べ過ぎは心配しすぎなくても大丈夫
酒粕はカロリーや糖分は高くても、吸収されにくい仕組みが備わっています。同じ糖質でも、白米やパンと比べると食べ過ぎても太りにくい食材なんですね。酒粕が好きで食べ過ぎを心配する人も多いですが、そこまで心配しすぎることはありません。ただし、一度に大量に食べるよりも、毎日少量ずつを継続して食べたほうが高い効果が得られます。栄養たっぷりの酒粕を食べて健康な体づくりを目指しましょう。
酒粕は、そのまま顔に塗ってパックをしたり酒粕風呂に利用したりと、食べる以外の利用方法もたくさんあります。しかし、酒粕の栄養を取り入れるにはやはり料理に使うのが一番。酒粕を使った料理にはたくさんのメリットがあるんです。料理に使う際のコツと併せてお伝えします。
酒粕を使った料理はメリットがいっぱい!
酒粕はたんぱく質・アミノ酸・酵素・ビタミン・食物繊維・ミネラルなどを含む栄養豊富な食材です。酒粕を料理に取り入れれば、さまざまなメリットが得られます。
必須アミノ酸9種類をカバー!
アミノ酸は、人間の体を作るたんぱく質を構成する物質です。筋肉や皮膚・血液などの元になるため、欠かすことができない栄養素なのです。酒粕には白米の500倍ものアミノ酸が含まれる上、体内で作り出すことができない必須アミノ酸9種類すべてが入っています。筋肉や髪の毛の健康を保ち、新陳代謝を高めてくれるほか、体内のコラーゲンの合成もサポートします。
酒粕を使った甘酒が「飲む点滴」と言われるのは、アミノ酸やたんぱく質を豊富に含んでいるから。食欲のないときや疲れたときに摂れば、手軽に栄養を補給することができます。
便秘解消に効果的
酒粕にはオリゴ糖や食物繊維が豊富に含まれています。これらの成分は腸内環境を整え、便秘解消にも効果的です。腸内環境が整うと免疫力がアップするため、病気に強い体づくりにも役立ちます。
料理にコクと旨みを与える
アミノ酸は旨みの元でもあります。酒粕を発酵させる過程で生まれたアミノ酸は、料理に使うことでコクや旨み、風味を与えてくれます。さらに、旨み成分は組み合わせることでさらに効果が高まります。
・かつお節に含まれるイノシン酸
・昆布に含まれるグルタミン酸
・きのこに含まれるグアニル酸
これらの出汁と組み合わせれば、相乗効果で旨みが何倍にもアップ。ドリンクやスープに少量入れるだけで、簡単に旨み効果を増すことができるのです。
酵素がたっぷり
発酵食品は酵母や酵素、さまざまな菌がでんぷんや糖類を分解するため、旨みや栄養価が高まります。納豆や味噌、キムチも発酵食品のひとつです。酒粕も発酵食品であり、100種類以上の酵素を含むため、消化吸収がよくなって新陳代謝を高めてくれます。
保存性が増す
酒粕に含まれる酵母菌のアルコールは食品の保存性を高めます。さらに、酵素が生きている食品であるため、微生物が雑菌の繁殖を防いでくれる効果もあります。
酒粕を使った料理のコツ
酒粕の効果をより高めるためには、料理に使う際のコツを踏まえておきましょう。
酵素や酵母の働きを狙うなら生で食べよう
酒粕に含まれる酵素や酵母は、40℃以上の熱で死んでしまいます。もちろん酒粕には他にもたくさんの栄養素が含まれていますが、せっかくの栄養素を丸ごと摂りたいなら、生で食べるのがおすすめです。
豆乳や大豆製品と組み合わせよう
酒粕は、豆乳や納豆・豆腐などの大豆製品と相性がいい食品です。大豆イソフラボンと組み合わせることで、さらに効果がアップするとされています。大豆イソフラボンは体内で女性ホルモンと似た働きをするため、美肌効果や女性特有の悩みに効果的です。さらに一緒に食べることで、酒粕のクセのある味を大豆製品が中和させる役割も果たします。
乳製品の代替品として使おう
コクと旨みを併せ持つ酒粕は、さまざまな料理の代用品として使うことができます。代表的なものはホワイトソースで、酒粕を使えばシチューやパスタを乳製品フリーで作ることが可能です。また、酒粕を焼くとチーズのような風味が出るため、チーズケーキやお菓子、粉チーズがわりにも使われます。乳製品アレルギーがある場合は、豆乳や酒粕を有効活用できるでしょう。
酒粕の効果アップ!酒粕を使ったおすすめレシピ
それでは、酒粕の効果をさらに高めるレシピをご紹介します。
生で摂取するならコレ!「粕漬け」
きゅうりや茄子などお好みの野菜を、塩もみして水分を抜いておきます。日本酒で練ってやわらかくした酒粕とまぜ、袋に入れて空気を抜き一晩置きましょう。酒粕の風味がそのまま楽しめる箸休めになります。
大豆製品と組み合わせるならコレ!その1「酒粕納豆」
いつも食べている納豆のパックに、お好きな量の酒粕を入れてみましょう。また、酒粕を豆腐にかけて醤油をたらした冷奴もおすすめです。
大豆製品と組み合わせるならコレ!その2「酒粕豆乳」
温めた豆乳200mlに、酒粕大さじ1?2杯ほどを入れて混ぜましょう。蜂蜜を入れると飲みやすくなります。生姜をすりおろして入れれば体がポカポカに。
乳製品の代わりに使うならコレ!「酒粕ホワイトソース」
酒粕100gと豆乳200mlを鍋に入れて混ぜ合わせます。さらに白味噌大さじ2と豆乳200mlを加えるだけ。グラタンやシチュー・パスタに利用できます。
酒粕を料理に使えばメリットがたくさん!
このように、酒粕を料理に取り入れるメリットはたくさんあります。さらに、料理との組み合わせや摂取方法のコツを知っているだけで、その効果をさらに高めることができるのです。ぜひ積極的に取り入れてみてくださいね。
豊富な美容成分を含むことで人気の酒粕。美白効果や保湿効果が有名ですが、ニキビにも効果があるのでしょうか?今回は酒粕でできるニキビ対策や、酒粕がニキビが効く理由について見ていきましょう。
酒粕がニキビに効く理由とは
ニキビができる原因はさまざまですが、酒粕は多方面からニキビにアプローチしていく作用を持っています。
皮脂の抑制効果
酒粕と米麹を使った甘酒を継続して飲むことで、皮脂の抑制効果があるという研究結果があります。これは2016年5月に、森永製菓と東京工科大学の共同研究でわかったもの。過剰な皮脂分泌を抑えることにより、ニキビの発生を予防する効果が見込めます。
保湿作用
ニキビの主な原因は過剰な皮脂にありますが、肌が乾燥した状態になると皮脂分泌はさらに過剰になってしまうため、適度な保湿は欠かせません。
酒粕に含まれる酵母は、有機物が発酵されてできるものです。酵母は肌がもともと持っている天然保湿因子と似たような構造を持つため、うるおいを保つ性質があります。また、アミノ酸には水分を引き寄せる作用があり、足りない水分を補給する保湿効果があります。
抗炎症作用
酒粕にはフェルラ酸やアルブチンといった美白成分が含まれますが、その中でも抗炎症作用を持つのがコウジ酸です。それだけでなく、活性酸素を抑制する働きも持つため、ニキビの悪化を防いでくれます。
豊富なビタミン
酒粕はビタミンB群を豊富に含んでいます。
・ビタミンB2
ビタミンB2は、脂質の代謝に関わる成分です。皮脂が過剰になっている場合はそれを抑え、不足しているときは分泌を促し、正常なバランスに保ってくれます。このため、毛穴詰まりやアクネ菌の繁殖を防ぐのに効果的です。
・ビタミンB3
ビタミンB3は別名ナイアシンとも呼ばれ、血行を促進する作用があります。血流がよくなることで肌の新陳代謝が活発化し、水分や皮脂バランスが整います。
・ビタミンB6
ビタミンB3同様、肌の新陳代謝を正常化する働きがあります。
便秘解消効果
肌荒れと腸内環境は密接に関係しています。便秘があると不要な排出物が体内に滞り、肌に必要な栄養分がうまく供給されません。肌は体の毒素を排泄する器官でもあり、便秘があるとアゴ周りのニキビが出やすいと言われています。
酒粕はオリゴ糖・食物繊維の両方を含んでいます。さらに酒粕に含まれるたんぱく質はレジスタントプロテインと呼ばれ、胃腸で消化されにくい性質があります。不要な脂肪を絡め取ってそのまま体外に排出する役目をし、便秘解消に効果的です。
酒粕でできるニキビ対策方法をご紹介
それでは、具体的に酒粕でできるニキビ対策について見ていきましょう。
酒粕パック
酒粕パックを継続して使うことにより、酒粕の成分を効果的に取り入れることができます。酒粕大さじ1に対し、大さじ1杯の精製水と柔らかくなるまで混ぜ合わせましょう。米ぬかやはちみつ、ヨーグルトで混ぜても効果的です。
顔に塗ってたれない程度の固さになったら肌の上にのせ、10分ほど放置しましょう。副作用はないので毎日でも使用可能です。入浴中に行えばパックが乾きにくいですよ。
酒粕ローション
酒粕を使ったローションは簡単に手作りできます。
・精製水 180ml
・酒粕 20g
・グリセリン 小さじ1
これらの材料を用意し、混ぜ合わせて一晩置いておきます。翌日にガーゼや茶こしで濾して、残った液体がローションです。絞りかすはパックに活用できます。成分が沈むので振って使いましょう。保湿を高めたい場合はグリセリンを増やしたり、肌荒れがひどい場合は尿素を足したりとアレンジも可能です
酒粕風呂
酒粕を使った酒粕風呂は、血行促進や保温効果に優れています。乾燥肌や冷え性でニキビができやすいという人におすすめです。
お湯で適度な固さまで練った酒粕をガーゼで包み、輪ゴムで口を縛ります。浴槽に入れて揉み出しながら入浴しましょう。だんだんとお湯が白く濁り、酒粕のにおいが立ってきます。ガーゼで肌を擦っても効果的です。酒粕風呂で残ったお湯は洗濯には使えないので、その都度捨てるようにしてください。
酒粕を使った甘酒
甘酒には麹由来のものと酒粕由来のものの2種類があります。酒粕を使った甘酒はアルコールを含む点に注意が必要ですが、酒粕の栄養をたっぷりと体の内側から摂れるおすすめの方法です。
基本的な作り方は、酒粕の4?5倍の水と一緒に鍋にかけ、砂糖を加えて好みの甘さに仕上げます。砂糖のかわりにはちみつを使ったり、豆乳やヨーグルトで割ったりしてもOK。また、レモンを入れるとすっきりとした味わいになります。冬は生姜を入れたホット甘酒を飲めば、体の芯から温まりますよ。
酒粕を使う際の注意点
酒粕は5?8%程度のアルコールを含んでいます。子どもや運転する人、妊婦が甘酒として飲む場合は注意しましょう。また、肌に塗って使う場合でも、アルコールに敏感な人は刺激を感じることがあります。その場合は、酒粕を水で練る際によく加熱してアルコールを飛ばしてから使うようにしてください。
酒粕はニキビ対策にぴったりの方法
酒粕は直接食べることはもちろん、肌への効果を狙うならパックやローション・酒粕風呂といったアプローチがおすすめです。酒粕に豊富に含まれる栄養素が、ニキビに効果を発揮してくれます。今日から簡単にできる方法ばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
内臓脂肪が多い状態をメタボといいます。メタボはあらゆる生活習慣病を引き起こす可能性が高いため、食事や運動で解消する必要があります。そこで、おすすめなのが酒粕。酒粕はメタボ解消にぴったりの効果をたくさん持っているのです。酒粕がメタボ解消に役立つ理由をお伝えします。
メタボってどういう状態?
メタボの正式名称は、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)と言います。メタボ検診は2008年4月から義務化され、40?74歳の医療保険に加入している男女が対象です。メタボ検診は、生活習慣病を発症前の段階で発見し、悪化と予防につなげる目的があります。
メタボの診断基準
メタボの診断基準は、まずは内臓脂肪の蓄積がみられることです。具体的にはウエストまわりが男性で85cm、女性で90cmを越えているかどうかをみます。さらに、次のうち2つ以上が当てはまる場合はメタボ、1つに当てはまる場合はメタボ予備群とされます。
1、中性脂肪150mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満のいずれか(または両方)
2、血圧が130mmHg以上/85mmHg以上のいずれか(または両方)
3、空腹時血糖が110mg/dl以上
平成26年度の厚生労働省国民健康・栄養調査報告によると、メタボが疑われる人は男性で25%、女性で10%。予備群をあわせると男性は2人に1人、女性は6人に1人という結果が出ています。全国でおよそ2,000万人がメタボ予備群なのです。
肥満のタイプ
メタボで問題になる内臓脂肪。これは、皮膚の下につく皮下脂肪とは違い、内蔵のまわりにつくもので見た目にはわかりません。内臓脂肪が多いとお腹がぽっこり出ることが多いですが、見た目はスリムでも内臓脂肪がたっぷりついているという場合もあります。これが俗に言う「隠れ肥満」です。
メタボの危険性
メタボはさまざまな生活習慣病の引き金となります。代表的な病気には次のものがあります。
・糖尿病
・高血圧
・高血糖
・腎臓病
・がん
・脳血管障害
・高脂質症
生活習慣病は、かつて成人病と呼ばれていたもの。食事や運動・喫煙・飲酒・ストレスといった生活習慣の影響が強く出るため、成人だけではなく子どもから20代・30代でも発症することが増えています。
生活習慣病には自覚症状がないことが多く、気づいた頃には症状が進行して完治が難しい、といったケースも。高血圧や高脂質・肥満といった症状があると、心筋梗塞や脳こうそくなどを発症するリスクは高くなります。
しかし、自分がメタボだからといって悲観しすぎることはありません。内臓脂肪は皮下脂肪と比べると、運動や食事で落としやすい脂肪なのです。
酒粕で健康に!メタボに効果的な理由
メタボで起きうるさまざまな生活習慣病の予防には、酒粕がぴったり。酒粕は栄養の宝庫であり、生活習慣病によって起きるさまざまな症状に役立つ効果をたくさん持っています。
糖尿病予防に
糖尿病はインスリンという体内物質がうまく働かず、血糖値を調整できなくなる病気です。酒粕にはインスリンと似た働きをする物質が含まれており、症状の悪化を防ぎます。また、血糖を作り出す消化酵素アミラーゼの働きを抑制し、血糖値を調整する作用もあります。
高血圧予防に
血圧が上がるのは、腎臓から分泌されるアンギオテンシンという物質。それをコントロールして血圧を下げるのが、腎臓から分泌されるキニンです。腎臓はこのふたつの物質のバランスをコントロールしていますが、キニンの作用が低下することで血圧が高くなります。その原因となるのがACEと呼ばれるアンギオテンシン変換酵素。このACEの働きを抑制する働きをするのが、酒粕に含まれるペプチドです。ペプチドは日本酒で3種類、酒粕で6種類発見されており、いずれも血圧を下げる作用が認められています。
さらに酒粕に含まれる米麹には、GABAが豊富に含まれています。GABAは血圧の上昇を抑える作用があるため、酒粕はペプチドとGABAのダブルの働きで高血圧を抑えてくれるのです。
血栓を防ぐ
血液がドロドロになると、血液の塊である血栓ができやすくなります。血栓があると脳こうそくや心筋梗塞の原因に。血液の塊を溶かすにはウロキナーゼやプラスミンといった酵素が必要ですが、酒粕はこれらの合成を促進する作用があります。さらに悪玉コレステロールを減らして善玉コレステロールを増やす作用も持つため、血液をサラサラに保ってくれます。
ガンの抑制作用
体内でガン細胞を殺す作用があるナチュラルキラー細胞。酒粕はこの細胞を活性化させる物質を含んでいることを、愛媛大学の奥田教授が発見しました。さらに月桂冠総合研究所では、酒粕の中にガンを予防するα-ハイドロオキシ酸を発見。これらの研究結果から、酒粕でガンを抑制・予防する効果に期待が高まっています。
悪玉コレステロール値を下げる
体内のコレステロール値は通常、悪玉と善玉のバランスが保たれている状態です。しかし、偏った生活習慣で悪玉コレステロールが増えすぎてしまうと、血液の流れが妨げられて生活習慣病の原因にとなります。
酒粕に含まれるたんぱく質はレジスタントプロテインと呼ばれ、消化しにくい特性を持っています。体内の余分なコレステロールを包み込んで体外に排出してくれるため、悪玉コレステロール値を下げる役割を果たします。
酒粕でメタボを解消しよう
かつて、生活習慣病やメタボは中年以降の男性に多くみられるものでした。しかし、現代では食生活の変化やお酒・煙草などの影響で、若い女性にも隠れ肥満が増えてきています。血圧を下げる・血液をサラサラにする・コレステロールを下げるといった酒粕の作用は、生活習慣病やメタボの人はもちろん、そうでない人にも嬉しい効果です。メタボの悪化防止や予防に役立つ酒粕を、ぜひ有効活用してみましょう。
スーパーやドラッグストア、通販などで、酒粕が売られているのをよく目にすると思います。しかし、形状や色・量がさまざまで、どう選んだらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。酒粕の味や種類の違い、選び方のポイントについてまとめました。
酒粕の種類にはどんなものがある?
酒粕はその形状や製法によっていくつかの種類に分けられます。代表的なものを見ていきましょう。
板粕
スーパーでよく売られている、四角い板状の酒粕です。日本酒を絞る際、自動圧搾機を使うことで酒粕が板状となって残ります。これをカットしてそのまま商品にしているのです。そのままでは固いので、水でふやかしたり練ったりして使います。
ばら粕
圧搾機からこぼれたものや、柔らかすぎて板状にならなかった酒粕を集めたものです。品質としては板粕と同じですが、板粕よりも柔らかく溶けやすいのが特徴です。
練り粕
酒粕を練り合わせて、やわらかいペースト状に加工したものです。ばら粕よりもさらに溶けやすく、野菜や魚を漬ける際にも使われます。
踏込粕(土用粕)
酒粕を半年前後熟成発酵させたもので、茶色や黄金色をしています。地方によって踏込粕、土用粕、押し粕などと名前が変わり、踏込粕のことを練り粕と呼ぶ場合もあります。コクや甘みが強く、奈良漬けなどの漬け物によく使われます。スーパーで「漬物用」として茶色い酒粕が売られていたら踏込粕のことです。
その他の酒粕
最近は機械化や人手不足によって板粕をとらない酒造も多く、ばら粕を練り込んでふたたび板状に成形したタイプも売られています。この場合、日本酒の栄養がそのまま残っている板粕よりも風味は劣ります。また、「甘酒用」「漬け物用」と細分化されて売られていることも増えています。
酒粕の味は使うお酒によって変わる!
酒粕は、日本酒を作る過程で残る絞りカスです。そのため、原料となるお酒の種類によって、味や風味が大きく変わります。大まかな日本酒の種類の見分け方を見ていきましょう。
純米酒
純米酒は、米と米麹だけで作られているお酒のこと。製造過程でアルコール添加がされていないため、米本来の味わいが強く出ます。
吟醸酒
吟醸酒は、米を40%以上削り、磨いて作られたお酒です。50%削ったものを大吟醸酒といい、さらに磨く手間がかかります。吟醸酒は香りが強く、雑味が少ない味わいが特徴。吟醸酒の酒粕は板状にはならず、ばら粕や練り粕の形状で売られます。強く絞らないため、日本酒の栄養価が多く残りますが、少量しかとれません。
普通酒
吟醸や大吟醸に当てはまらないもので、醸造アルコールを白米重量の10%以上使用したものや、調味料を添加したものなどさまざまです。
酒粕は生きている食材
スーパーなどで売られている安価な酒粕の中には、加熱されて酵母が死滅しているものもありますが、基本的には酒粕は発酵食品であり酵素が生きています。そのため、時間が経つほど発酵が進んで味や香り、色合いが変化していきます。
例えば色なら、白から黄色、黄色からピンク色、ピンク色から褐色…と変化し、半年ほど放置するとこげ茶色や黒に近い色に変わります。また、絞りたての酒粕は固めで、フレッシュな香りがしますが味はぼんやりとしています。次第に熟成が進むと香りは薄まるものの、しっとりとした柔らかさが出てきて、味にもコクが増します。
そのまま食べたり料理に使ったりする場合は絞りたてを、漬け物に使うなら熟成させたものなど、用途に応じて使い分けることも可能です。
酒粕の購入方法と保存方法
それでは、酒粕の購入・保存方法について見ていきましょう。
酒粕はどこで買えるの?
・スーパーで買う
・酒屋で買う
・酒蔵で買う
・インターネットで買う
酒粕は1年中購入できますが、旬は新酒が出回りはじめる冬です。主に1月?4月の間に出回る酒粕なら、フレッシュで栄養価の高いものが手に入りますよ。
スーパーでも手に入るものの、おすすめは酒蔵から直接買うことです。最近は、大きい酒蔵ならネット通販を行っているところも多くあります。もし近所に酒蔵があるなら、ネット通販よりも安くて新鮮な酒粕が手に入るかもしれませんよ。
酒粕の保存方法
酒粕は300g?500gの小分けタイプから、1kg?3kg程度の大袋まであります。特に酒蔵から買う場合は1kg単位での販売が多いでしょう。多く買うほうがお得になることもあります。
そんなに買っても一度に使い切れない!と思うかもしれませんが、記載されている消費期限はあくまで目安。酒粕にはアルコールが含まれているため、よほどのことがない限り腐りにくい食材なのです。常温で置いておいても発酵が進むだけで、腐ることはほとんどありません。気になる場合は冷蔵庫などの涼しい場所で保管すれば発酵が止まり、長期間の保存が可能です。
また、酒粕は冷凍保存が可能です。100gずつなど使いやすいサイズにラップで平たく小分けし、チャックのついた袋に入れて冷凍しておけば、いつでもフレッシュな状態で使えますよ。
酒粕は種類に応じて上手に使い分けよう
酒粕と一口に言っても、元になるお酒の種類や製法によって、味わいや使い方が異なります。ちょっとした料理には安いもの、味がダイレクトにわかる料理には酒蔵のものを使うなど、使い分けてみてもいいですね。余ってしまって発酵が進んだ酒粕なら、漬け物に使うこともできます。たくさんの種類がある酒粕を、自分なりに楽しんでみてくださいね。