酒粕の栄養価!肝臓・便秘・美肌によい効能!?
- 2016年11月25日
- テーマ:コラム
甘酒や粕汁の材料として用いられる酒粕。古くから利用されている発酵食品で、その高い栄養と美容・健康効果から注目を浴びています。今回は酒粕がもつ栄養と、摂取することで期待できる効果についてまとめました。
酒粕に含まれる栄養って?
日本酒の製造過程でできる酒粕には、米や酵母由来の栄養が豊富に残っています。100gあたり15g含まれるたんぱく質をはじめ、炭水化物・脂質・ビタミン・ミネラルの5大栄養素を含む優秀な食品なのです。主な栄養分について見ていきましょう。
・たんぱく質
爪や髪の毛、皮膚など、私たちの体を構成しているたんぱく質。筋肉や骨の健康の維持に欠かせないもので、代謝を促して抵抗力や免疫力をアップさせます。酒粕に含まれる植物性たんぱく質は、肉や魚などの動物性のものに比べるとカロリーや脂質が控えめでヘルシーです。
・炭水化物
炭水化物は体や脳のエネルギー源です。摂りすぎると肥満の元ですが、少なすぎるとエネルギー不足で疲れやすくなります。
・食物繊維
血糖値やコレステロール、血圧を正常に保つ役割をしており、便秘解消にも効果的です。
・ビタミンB群
神経機能を正常に保つビタミンB1、細胞の再生をサポートするビタミンB2、ストレスをやわらげるパントテン酸(ビタミンB5)、余分な脂肪を吸収するビタミンB6などのビタミンB群が豊富です。
・ミネラル
ミネラルは筋肉や神経のはたらき・代謝に深く関わっています。酒粕はマグネシウム・カリウム・カルシウム・リン・亜鉛・鉄・銅など何種類ものミネラルを含んでおり、複合的な効果が期待できます。
・アミノ酸
疲労回復や免疫力を強化する働きがあります。新陳代謝を高めるため美肌やダイエットにも効果的です。
・ペプチド
ペプチドは酒粕のたんぱく質が分解される過程で発生します。血管を拡張して冷え性改善効果があるほか、血圧の上昇を抑える働きがあります。
・酵母菌由来のβ‐グルカン
免疫力の強化やコレステロールを下げる働きをします。
・葉酸
細胞の生成をサポートし、皮膚の粘膜の強化する働きがあります。
酒粕が持つ効能はこんなにある
酒粕には豊富な栄養が含まれていることがわかりました。では、これらの栄養がどのような効果をもたらすのかを見ていきましょう。
肝臓を保護する効果
活性酸素には高い酸化力があり、体内で増えすぎるとさまざまな病気を引き起こします。特に肝臓は活性酸素が集まりやすい部分です。
肝臓内で活性酸素を抑制する働きがある物質にグルタチオンがあります。酒粕のたんぱく質を分解してできるペプチドがグルタチオンと同等の働きをして、肝臓に集まって高い抗酸化力で活性酸素を除去するため、肝臓の保護に効果的です。
便秘解消効果
酒粕には100g中5gと、不溶性の食物繊維です。不溶性の食物繊維は腸の中で膨らんで便の量を増やし、ぜん腸運動を促して腸内の余分な老廃物を排出します。また、酒粕に含まれるオリゴ糖はビフィズス菌などの善玉菌の餌となり、善玉菌を増やして腸内環境を整えます。
美肌効果
酒粕に含まれているビタミンB群は肌の代謝を高め、ターンオーバーを促進します。さらに豊富な食物繊維が肌荒れやニキビの原因となる便秘を解消することで、不要な毒素がデトックスされて美肌効果も。加えてシミの原因となるメラニン色素を防いでくれる上、保湿効果で乾燥予防にもなります。酒蔵の杜氏さんの手がキレイなのは、酒粕の美容成分のおかげだと言われています。
肩こり・頭痛の解消
血管拡張作用のあるアデノシンが、肩こりや頭痛・冷え性などの症状を緩和してくれます。
糖尿病や肥満の予防・改善効果
糖尿病では糖質の摂取を減らし、たんぱく質を多く摂取する必要があります。酒粕は糖の吸収をおさえ、たんぱく質の分解・吸収を促すため糖尿病の予防や改善にぴったりです。さらに余分な糖分の摂取を抑えることで肥満防止にもなります。酒粕には脂質がほとんど含まれないため、日常的に取り入れることで脂質やカロリーを抑える効果も期待できます。
アレルギー症状の緩和
アレルギー症状は、カテプシンBという酵素が作り出す免疫グロブリンが引き起こします。酒粕にはカテプシンBの働きを阻害するペプチドが含まれるため、アレルギー症状の緩和に効果的です。ただし、アレルギー体質の改善のためには、少量ずつ長期間に渡って食べ続ける必要があります。
高血圧の抑制効果
高血圧は心筋梗塞や脳いっ血など、さまざまな病気を引き起こす原因のひとつです。酒粕には血圧の上昇を抑えるペプチドが6種類発見されており、高血圧を抑制する効果が期待できます。
がんの抑制効果
酒粕に含まれるα-ハイドロオキシ酸がガン細胞を抑制し、グルコサミンががん細胞が出すトキソホルモンの毒素を抑制します。さらに酒粕はがん細胞を殺すはたらきをするナチュラルキラー細胞の働きを活性化するため、抗がん作用が期待できます。日本酒を飲む人は大腸がんや胃がんにかかりにくいというデータもあるほどです。
骨粗しょう症の予防効果
骨密度は加齢と共に減少していき、骨粗しょう症を引き起こしやすくなります。酒粕には骨の分解を早めるカテプシンLという酵素の働きを抑える物質が3種類含まれており、骨密度の減少を防ぐため骨粗しょう症の予防に効果的です。
生活習慣病の予防効果
脳こうそくや動脈硬化など、血液や血管が固まる病気の予防にも有効です。酒粕は血栓を溶かすウロキナーゼという酵素の合成を促すほか、血栓を溶かすプラスミノーゲンも含んでおり、血液ドロドロを解消するのに役立ちます。
コレステロール値の減少効果
酒粕は悪玉コレステロールの生成や脂質の酸化を抑え、過剰なコレステロールを肝臓に戻す作用があります。
酒粕には高い栄養価と効能がある
酒粕にはこんなにたくさんの栄養や効能があります。美容や健康に関心の高い人々の間でブームになるのも納得ですね。美味しく食べて病気の予防ができ、美肌やダイエット効果もある酒粕を、ぜひ活用してみてくださいね。